ヴァーノン・ギャレットの1965年から1967年までのモダン／ケント時代の録音をまとめたものです。1から5まではヴァーノン＆ジュエル名義のシングルと未発表曲をまとめたものです。内容はブルース的なというか、まだしっかりとソウルへと分化する前のかなり泥臭い音がつまっています。そのなかでも力強いヴァーノンのヴォーカルが光っています。まだまだ未成熟な状態の音楽で当時のデトロイトの黒人街の音楽を想像するにちょうどよい音源なのかなという感じです。6から15まではヴァーノン＆ジュエルのライブ音源です。正直演奏力は高くないし、まだまだ一級品の音とはいえない状況です。ただ会場は盛り上っている状況でそのノリのよさの一部が伝わってくる感じです。一部の演奏は日本の学生バンドのうまい連中とさほど差がない状況でさほどいい演奏には思えない。ただしヴァーノンの歌はさえまくりその力強さの凄さが伝わってくる。15以降はヴァーノン・ギャレット名義のシングルを集めたもの。しかし内容は素晴らしい。一気に洗練されたかのような切れ味がここにはある。素晴らしい歌と演奏です。当時のソウルの流れを的確に捉えたかのようなセンスのよさが感じられます。このCD自体は今、入手可能ではないかもしれません。デトロイトの60年代の状況を知りたい方向けといった感じで必携というものではありません。あくまでもマニア向けの一枚です。